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MYOPIA

近視とは

近視とは、「近くはよく見えるが、遠くは見えにくい」状態です。近くから届く光だけが網膜にちょうどよく当たるためはっきりと見えますが、遠くから届く光は網膜にちょうどよく当たらないためはっきりと見ることができません。

近視の種類

01軸性近視
眼球の一番前(角膜)から一番後ろ(網膜)までの長さを「眼軸長(がんじくちょう)」と言います。眼球の一番後ろのことですから、外見からはわかりません。この長さが約24mm程度なら遠くがよく見えます。眼軸長が長ければ長いほど近視が強くなり、たった1mm長いだけでもスマホくらい近くしかよく見えません。約2mm以上長ければ、スマホですらわざわざ目のすぐ前に持ってこないと見えません。このように眼軸長が長すぎることによる近視のことを、軸性近視と言います。近視の大多数がこの軸性近視です。眼鏡の装用が必要です。
02屈折性近視
眼球のレンズ(角膜と水晶体)の形が特別な場合、眼軸長が長くなくても近視になります。これをを屈折性近視と言いますが、とてもとても少ないです。眼鏡の装用が必要です。
03仮性近視(=偽近視)
これは、実は正しい意味の近視ではありません。軸性近視でもなく屈折性近視でもなく、眼球の形状としては遠くがよく見えるはずなのですが、調節力(=近くにピントを合わせる力)が過剰に強く働いてしまって緩まなくなるために、常に近くにしかピントを合わせられない状態です。眼鏡の構造的には近視ではないので、眼鏡を装用するのではなく、調節力を緩める点眼薬で治療します。なお、仮性近視の状態が6か月以上持続すると軸性近視に変化してしまい、以後は治療することができず眼鏡の装用が必要です。

※ 病的近視

近視の大多数は、どんなに近視が強くても適切な眼鏡(あるいはコンタクトレンズ)を装用すれば視力は良好です。つまり、病気ではありません。
しかし、眼軸長があまりにも長すぎる近視の場合、網膜や視神経が傷んでしまって、視力障害(=適切な眼鏡等を装用しても視力が不良)となってしまうことがあります。これを「病的近視」と言います。

幼稚園の頃から既に近視、あるいは小学校入学前後から急速に近視が進行していく上、成人後にも(眼軸長が伸びていくだけでなく)眼球の変形を生じていくことがあります。さらに、病的近視に特有の別の病気を発症して社会的失明(=光を感じることはできるが、日常生活にすら重大な支障を生じる状態)に至る危険性すらあります。軸性近視による強度近視の中でも一部の方だけなのですが、「近視であることそのものが病気である」という深刻な状態です。

近視が世界的な問題に

30年前と比べてアジアの主要国の間で近視が劇的に増加しており、人口の6割から8割と推計されています。
病的近視も増加しており、アジアでは人口の1割を超えることが急速に懸念されています。
また、世界保健機関(WHO)は、今から30年後に(アジアだけでない)地球上の全人口の5割以上が近視になると警告しております。

近視の種類を知るための「6つの検査」

01屈折検査
そもそも近視かどうか、もし近視ならどの程度の近視か、を測定します。これは基本的な検査(=眼科であればどこでも行う検査)です。
02小児専用の、正確性のより高い屈折検査

小児の屈折検査は、大人と違って調節力による測定の誤差がとても大きいです。そこで、調節力の影響を取り除く点眼薬(=サイプレジンあるいはアトロピン)を使用して、通常の屈折検査と比較して検討いたします。通常の屈折検査との差が大きすぎる場合には、実は仮性近視との結論に至ることがあります。本来は基本的な検査かつ小児に必須の検査なのですが、現実には必ずしも園通りではない印象です。

  • ※ サイプレジンを使用する場合、検査当日に(薬の効果が出るまで)1時間ほどの待ち時間が必要です。
    検査終了後も最長2日間ほど近くが見えづらく、また光が眩しく感じられます。
  • ※ アトロピンを使用する場合、事前にご家庭で薬を点眼しておいて頂きます。
    検査終了後も最長1週間ほど近くが見えづらく、また光が眩しく感じられます。
03視力検査
これも基本的な検査ですが、当院では一般的な遠く(5m)の視力だけでなく、調節力が大きく関わる近く(30cm)の視力も測定いたします。
04角膜曲率検査
角膜のカーブがゆるいかきついか、を数値で測定します。屈折性近視の可能性を検討する検査です。これも基本的な検査ですが、結果の解釈には専門性を必要とします。
05眼底三次元画像解析
網膜の中でも特に重要な部分に病気がないかを精密に検討する検査です。病的近視の存在あるいは前兆を捉えることができます。これは成人では基本的な検査ですが、小児に対しては専門的な検査です。
06眼圧検査
眼球内の圧力を数値で測定する検査です。近視と直接関わりませんが、小児の緑内障を発見することが稀にあるため、念のために行います。これは基本的な検査です。

診断に至る考え方の一例を紹介します

※ 実際の検査の手順は、この通りではありません。医師の判断により、検査項目が異なる場合もございます。

  1. Step01

    屈折検査

  2. Step02

    小児専用の、正確性のより高い屈折検査

    →仮性近視:治療 + 近視発生抑制

  3. Step03

    視力検査

    →病的近視:治療 + 近視進行抑制

  4. Step04

    角膜曲率検査

  5. Step05

    眼底三次元画像解析検査

  6. Step06

    眼圧検査

    →例外的な病気:治療

  7. Step07

    軸性近視:近視進行抑制

近視進行抑制の種類

※ すべて当院にて実施しております

どの方法でも、既にある近視を無くしたり減らしたりすることはできません。そのため、(眼軸長が最も伸びやすい)学童期のなるべく早い時期に開始することが望ましいです。ただ、眼軸長は最長で25歳頃まで伸びることがあるため、思春期以降でも実施する価値がございます。

点眼薬

低い濃度に調整したアトロピンという点眼薬を毎晩1回、寝る前に点眼することによって眼軸長をなるべく伸びにくくします。近視の大多数である「軸性近視」の進行を抑制することができます。調整前のアトロピンは調節力を影響を取り除く(=見え方に影響する)検査薬ですが、調整後の低濃度アトロピンは調節力に影響することなく(=見え方に影響することなく)近視進行抑制の効果を発揮します。

サプリメント

近視に関わる遺伝子の研究は、特にアジアで盛んに行われています。EGR1という遺伝子が眼軸長を伸びにくくする役割を持つこと、そしてクロセチンという栄養素がEGR1遺伝子を活性化する効果が高いこと、を慶應義塾大学医学部眼科学教室が報告しておられます。点眼薬と同様に「軸性近視」の進行を抑制できる可能性がありますが、(薬ではなく食品ですので)効果を明確に述べることは法令上認められておりません。

近視のQ&A

Q
近視は治りますか?

目の使いすぎなどによる一時的な近視(仮性近視)は、目薬などで治療することができます。
しかし、近視による視力低下は主に、目の奥行きの長さ(眼軸長)が伸びすぎることによって起こります。
残念ながら、一度伸びすぎてしまった眼軸長を元に戻すことは出来ないといわれています。

Q
スマートフォンやゲームで近視が進みますか?

スマートフォンやゲームが目に悪いかどうかはわかっていませんが、過度に近くを見続ける緊張が近視を進行させることは明らかになっています。同時に、内斜視になる可能性も指摘されています。長時間スマートフォンに夢中になることで、勉強に対する集中力が落ちたり、睡眠不足になるなどの影響も懸念されます。
近くを見る作業をするときは、大人がよく観察して30分〜1時間ごとに5〜10分程度は休み、遠くを見るように促しましょう。

Q
ブルーライトは近視に悪いのですか?

ブルーライトは必ずしも近視と関係あるとは言われていません。

Q
眼鏡とコンタクトレンズではどちらを先に作ればよいですか?

まずは眼鏡です。目を傷つけてしまったときや、結膜炎などの時にはコンタクトレンズを装用することはできません。また、コンタクトレンズをつけているときに異常(痛い、かゆい、ごろごろする、赤いなど)を感じたら早急に外す必要があり、そのままつけ続けると最悪失明のおそれがあります。コンタクトレンズ利用者は眼鏡も常備しておき、異常を感じたらすぐメガネに切り替えてください。

Q
眼鏡は何歳くらいからかけますか?

視力の目安としては年齢にもよりますが、学校生活では0.7以上が必要と言われています。裸眼視力が0.7以下になったら眼鏡が必要と考えてください。

Q
眼鏡をかけると近視が進みますか?

眼鏡をかけているから近視が進むということはありません。近視の進行は、主に眼球の大きさ(眼軸)に左右されます。眼鏡をかけたために眼球が大きくなることはありませんので、眼鏡をかけたことで近視が進むことはありません。しかし、成長期の子どもは成長ホルモンの影響で背が伸びたり足のサイズが大きくなるように眼球も大きくなり、その結果、近視が進行してしまいます。つまり、身長が毎年伸びるように近視(眼鏡の度)も進行していきます。また、近年、近くばかりを見るという環境要因によって近視化していくというデータも出てきています。これも眼鏡をかけたから近視化するということとは異なります。
今まで眼鏡をかけていなかった人が眼鏡をかけることにより遠くが見えることになり、眼鏡を外すとそれまで見えていたと思っていたものが見えなくなったと感じることがあります。それは眼鏡をかけたためではなく、今まで見えていたつもりだったという錯覚によるものだと考えています。

Q
近視になると失明するのですか?

強度近視にならない限りは、確率はかなり低いと考えます。
強度近視になると網膜の合併症を生じ、網膜剥離や黄斑円孔、分離症などの網膜合併症を生じ失明に至る可能性が出てきます。緑内障などを生じることがあり油断は禁物ですが、中程度の近視であれば、網膜の合併症の確率はかなり低いとされています。

Q
レーシックをすると近視は治るのですか?

レーシックや、オルソケラトロジーなどによりいわゆる屈折を矯正することができます。これは簡単に言うと度数を直しているだけで、近視になりやすい状態や傷んだ網膜が治るわけではありません。これにより眼鏡やコンタクトレンズが不要になることがあっても、合併症から逃れることはできないのです。したがって近視が治ったわけではなく、引き続き眼科での経過観察が必要です。

Q
近視の予防はできますか?

読書や勉強、ゲームやスマートフォン操作時に十分な視距離をとること、晴天時に戸外活動をすることなどが有効であると考えられています。
積極的な予防法としては、アトロピン点眼液、多焦点コンタクトレンズ、オルドケラトロジーなどによる一定の治療効果が報告されています。

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